『海豚にのりたい』
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優作 その日も、いつもと同じように泳いでいた。水平線には遠くに船が浮いているのが見える。空は青く澄み渡り、潮の香りは風に乗る。 ただ、何かいつもとは違う感覚が春宮を襲う。 〜何が起こるんだろう〜 彼は、その日、何かが起こると予感していた――。 そして、その日、春宮が見つけたのは高校生の男の子。“竜崎優作”の姿であった――。