〜温まる〜

カテゴリー:散文詩

 寒い寒い冬の日に
 温かいスープ皿
 中にはパパの作った お味噌汁
(何故、このお皿に盛るの?)
 そして具材は お豆腐と万能ねぎがい〜っぱい

『召し上がれ』
 そう言ってくれるパパの前には
 普通にお椀のお味噌汁……

「パパ」
『何かな』
「どうしてスープ皿?」
『君が言ったんだよ 新しいスープ皿で最高のスープが飲みたいと』


 そうね
 私が言ったわ
「でも…… これお味噌汁よ」
『そんなことを言うものじゃない お味噌汁は最高のジャパニーズミソスープだよ』

 たぶん昔はイケメンのパパ
 そのウィンクはお客様に向けた方がいいわ
「お店、繁盛してる?」
『お蔭様でね』
 創作料理という名前は便利だと思ってたけれど
 確かにスープ皿にお味噌汁入れられるなら
 堅苦しいルールなんて要らないね

「いただきます」
 温かなお皿に 温かなお味噌汁
 でも何より温かくなったのは……
【終わり】

著作:紫草

NicottoTown blog広場より 【心が温まる小説】2013.01.19
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