〜佐保姫〜

 啓蟄の時待ち 顔出す虫たちに
 頬を突かれ 髪ついばまれ
 薄目を開く 春が姫

 春一番に 身をゆだね
 お天道様に ご挨拶
 姫の出番は すぐだよと
 花たち 揃って芽吹きだす

でも、あと、もう少しだけ――
佐保姫 小さなあくびをひとつ…

 それを見ていた虫たちも
 可愛い寝顔の佐保姫に 小さなため息つきながら
『あと少しだけ ですよ』
 思わず 微笑みこぼれてる

著作:紫草

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