とある日の昼下がり 何処からともなく聞こえた水音 菖蒲咲く水辺に近づくと 一匹の鯉が泳いでいた―― そう… それは正しく 優雅という言葉に相応しく 水面(みなも)に波紋を広げながら ゆるやかに移動する “主”という名を思わせる 光沢ある綺麗な姿を晒すのは いったい誰のためだらう…