〜ゆすらうめ〜

まどろみ 夢心地
春の息吹の 只中に
ただ独り 枝見上げる後ろ姿

艶めかしく
怪しく
そして誰よりも かっこいい

 愛する君
 誰かのものではなく
 それでいて ただ独りが想ひ人
 君を愛する心の奥で
 息づく永久(とこしえ)の愛――

「何だ。来たのか」
 頷く 私の肩を抱く君
「今年の春は、多くの花が見られそうだな」
「そうね。お花見、たくさんしてもいい!?」
 肩を抱く手に 力が籠められる
「一度だけ。散る間際の花の下で…な」

著作:紫草

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