『指環綺譚』

遺 書

 りゅうへ

 貴方がこれを読む時、私は、もういません。
 りゅうと知り合ってからの毎日は、本当に倖せの連続で、私はちょっと欲張り過ぎてしまったようです。
 次から次へと夢が叶ってしまうと、人はどんどん我儘になっていくのかもしれません。
 いい事があれば悪いこともある。そんな簡単なことに気付くのが遅かったみたい。
 今は感謝の言葉しか出てきません。
 りゅう、本当に有難う。
 あっちで、ちゃんと赤ちゃん産んで頑張って育てるから安心してね。

 りゅう、ばいばい。


【了】

著作:紫草


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