天界、魔界、どの世にも気持ちは在る。
敵味方への思い。
人への想い。
誰と決められぬ、自分自身の心。
私の創り出すものを、受け止めてくれる者たちへの気持ち。
何より。
恋焦がれ、愛し愛され燃え尽きるほどの想いを寄せ、骨が折れるほどの抱擁を夢見ていることを仮面に隠す。
誰かに見初められたいか。それとも自らが焦がれたいか。
その相手は今、何処……
今宵は仮面舞踏会。
仮面の下の真実に、誰か気づく者はいるのだろうか。
明日の日差しの只中に、自分はどんな貌を晒すだろう――。
【了】