〜山桜桃〜

 見上げる枝ぶり 凛々しくて
 それを見ている 君の横顔

 肩を組み ただ黙って時を刻む
 永遠とも思える 静寂――

「じろじろ見てても、何も出ないぞ」
 その言葉に 思わず笑ってしまう
「そうね。見るのは花の方にしておこう」

 ふと 君が振り向く
「早く、桜が咲くといいな」
「うん。絶対、お花見しようね!?」
 肩を抱く手に 再び力が籠められる
「その約束だけは…、覚えておく」
 そう言って微笑んだ君と 思わず指切りしたくなった

著作:紫草

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