〜秋色〜

 景色が 秋に移ろいゆく
 目を閉じていても 風が秋を運んでくる
 躰が融けてゆくような 感覚
 太古からの進化の全てを 小さな命が辿ってゆく

 お腹に育つ ややさんと
 共に感じる アンニュイな秋

『もう少し お腹のなかで一緒にいようね』

 秋の色に染められた 町も山も空さえも
 あなたと一緒に見るものならば きっと永久(とわ)に忘れない

 今年の秋は 特別な色
 身二つとなるまでの 残された僅かな時
 鼓動二つの 神秘な世…

著作:紫草

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