vol.100

大昔。
空に我等、龍神が多く飛び交ふ、その下に――

『思ひ出語り/地上界56』
迦楼羅23〜飛翔〜

 人の世に起こる様々なこと。
 人を愛し、子を育て、そして死す。
 それは、どの世界よりも貪欲で、それでいて美しい。

 我は、それを見ている。
 これからも、この空の上から…。
 永久とも云える時の流れのなかで――。
 そして、いつの日か。
 また人として生まれてくる日を、楽しみに待つとしよう…

 それはまた別の機会の話であり、
 それを語るのは、別の者の務めとなろう…

 そして、ここに龍神の懐かしき「昔語り」も、一先ず終えることとしようか――。
【了】

著作:紫草


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