大昔。 空に我等、龍神が多く飛び交ふ、その下に――
本能的に察知した、迦楼羅の危機。 躯が、本来の力以上のものを発揮する。 露智迦は空間を跳び、一瞬の後に、迦楼羅を庇うように立ちはだかった。 予感した、その危機の前に――。 刹那、斬り払われる… 身に覚えのある衝撃。 青龍刀で斬られた時の…。 あれは、いつのことだったろう。 体躯が塵と化す寸前の、危うい感覚。 そして再びリューシャンの、珥堕の力が発動する――。 最期の時を留める為に…。 それはまた別の機会の、お話ということで… 【了】