大昔。
空に我等、龍神が多く飛び交ふ、その下に――

『思ひ出語り/地上界45』
露智迦9〜最期、その直前〜

 本能的に察知した、迦楼羅の危機。
 躯が、本来の力以上のものを発揮する。
 露智迦は空間を跳び、一瞬の後に、迦楼羅を庇うように立ちはだかった。
 予感した、その危機の前に――。

 刹那、斬り払われる…

 身に覚えのある衝撃。
 青龍刀で斬られた時の…。
 あれは、いつのことだったろう。

 体躯が塵と化す寸前の、危うい感覚。
 そして再びリューシャンの、珥堕の力が発動する――。
 最期の時を留める為に…。

 それはまた別の機会の、お話ということで…
【了】

著作:紫草

龍
 
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