第二章

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 入学式、始業式が終わると、直ちに試験が開始される。それは、新入生も在校生も必ず受けることになっている。
 とまどっている暇はなく、一週間をかけて続々と行われる試験は、本来の実力を知るためのものだ。付け焼刃で入ってきた生徒はこれでクラス分けをされ、初めて中の厳しさを知るのである。
 春休みに遊び過ぎた在校生も、同じである。前年と同じクラスに留まるためには、レベルを落とすわけにはいかない。
 しかし、勉強をしていなければ確実に成績は落ちるものである。常に勉強の優劣を決定される「いにしえ高」は、教育ママならずとも行かせてみたい高校なのだ。此処で成績をキープするのは並大抵の事じゃない。
 だからこそ学校は、勉強する気持ちのある者とそうでない者を分けてクラス編成を行う。クラスが数字で表されるのが進学クラス、アルファベットで表されるのがボーダーライン以下の生徒だ。
 そして年一回クラス編成は行われる。

 この年も、菖、桔梗は三年一組。桃子、慎一郎は二年一組。そして摩子は三年A組であった──。
 ちなみに中学は、どちらも数字で統一されている。

 一年前、桃子はこのテストが終わった時に編入してきた。遥かに難しい編入試験を満点で通過して。

著作:紫草

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